キッチンのレイアウトを決める

キッチンの形状は、I型、Ⅱ型、L型、アイランド型など様々です。

I型

スタンダードなレイアウトです。
スタンダードという意味は、選べるシステムキッチンの種類も多くなるということです。
キッチンをあまり大きくできない限られたスペースの間取りにも
対応できるレイアウトとなります。
家事の動線が短くなり、段取り良く調理を進められます。

ただし、2人で調理をする場合は、動線が重なってしまうため、動きづらかったりします。
また、キッチンの横幅を広くしてしまうと、動線が長く伸びてしまい、
右に行ったり左に行ったりする移動が大変になります。

冷蔵庫とシンク、ガスコンロ(IHクッキングヒーター)の3つの移動距離が3.5m以内であれば、
それほど使いにくさを感じないと思います。

もしI型で動線が横に伸びそうな場合は、冷蔵庫をシステムキッチンの背面に置くなどすると
動線を短くできて、使いやすくなります。

II型

洗い、カット、下ごしらえをする場所と、煮炊きする場所が分離されたレイアウトです。
このタイプは、
キッチンスペースを広くできる場合
家族が多く、広い調理スペースが必要な場合、
料理が好きで、こだわった料理をするための作業スペースが欲しい方などに向いています。
また、豪邸で専属のコックなどを雇っている家もII型が多いでしょう。
(日本では、一般的でないでしょう。)

冷蔵庫、シンク、ガスレンジ(IHクッキングヒーター)を結ぶ動線の距離は、
5.5m程度までにしておいた方が無難です。

L型

I型に次いで多いキッチンのレイアウトです。
ガスレンジ(IHクッキングヒーター)部分が直角に折れているレイアウトが主流です。
お鍋を火にかけながら、違う料理の下準備をしたりする場合には
体を回転させればいいので、非常に便利です。

ただし、コーナー部分のスペースの利用方法を考えないと、
デッドスペースになります。
また、冷蔵庫や食器棚などのレイアウトが限定されてしまうため、
自由で個性的なキッチンを作るのは難しいレイアウトでしょう。

冷蔵庫、シンク、ガスレンジ(IHクッキングヒーター)を結ぶ動線の距離は、
4.8m程度までにしておいた方が無難です。

U型

キッチンに立つ人をカウンター、冷蔵庫、シンク、ガスレンジ(IHクッキングヒーター)が
囲むように配置されたキッチンのレイアウトです。
料理するスペースが広くなる為、大人数の家庭でも窮屈に感じることなく調理ができます。

II型同様、キッチンが独立した状態になるため、手の込んだ調理を頻繁に行う方や、
料理を趣味とする方にとっては、調理に集中できるため満足される方が多いようです。

ただ、何も考えずU型を選ぶと、キッチンスペースを持て余してしまい、動線が長くなる
デメリットなどに対して不満が溜まってしまうようです。
また、II型と同様基本的に食器棚はキッチンには置かず、ダイニングもしくは、
システムキッチンに付属する収納に片付けてしまうようになります。

冷蔵庫、シンク、ガスレンジ(IHクッキングヒーター)を結ぶ動線の距離は、
5.5mまでにしておいた方が無難です。

キッチンの高さの上手な選び方

台所仕事で体に最も負担がかかるのは、洗いものです。

調理を行う上で、野菜を洗う、食器を洗うなど、洗いものの時間は、非常に長いものです。
調理から片付けまでの時間の半分はシンクの前で作業する時間というデータがあります。

腰に負担のかかる姿勢を 長時間していると、腰が痛くなってしまい、
作業の途中で休憩して腰を伸ばさないと、とても続けられない状態になります。

ただ、キッチンを選ぶ際に、自分にあった高さにすることで、
身体への負担をずいぶん軽減することができるのです。

腰が痛くなる原因は、シンクの洗い場部分が低すぎることです。
低いと、前傾姿勢をとることになり、その身体を支えるものがないため、
腰に負担がかかるのです。
つまり腰への負担を軽減するためには、少しでも体を起こした状態で作業できるよう、
シンクの高さを上げることと、もたれかかっても濡れないような
少し盛り上がった縁があるキッチンを選ぶことです。

自分に合ったキッチンの高さの計算法

腰に負担がかからないシンクの高さはどうやって出せばいいのでしょう。
キッチンの高さは、JISの規格にあるように、
5cmごとに選べるようになっているのが一般的です。

JIS規格では、切るときの体勢を基準に高さを出しています。
計算式は、
(身長) ÷ 2 + 2.5 cm = (基準高さ)
となります。
つまり、身長155cmの人は、高さ 80cm、165cmの人は85cmといった具合です。

ただ、ものを切るときにちょうどいい高さと洗いものをするときの高さは少し変わります。
洗いものの場合は、少し(約3cm)高めにしておいた方が腰への負担が減ります。
逆に、ガスレンジ(IHクッキングヒーター)などの高さは、少し低めの方が使いやすいのです。
キッチンの高さは、80、85、90、95cmの4種類がJISで決められています。

キッチンの収納の大きさ

キッチンの収納は、どのようにするかについての手順です。
食器棚が付いた専用の収納を用意するか、それとも
システムキッチンの中に食器なども収納して部屋をすっきり見せたいかです。

手順

リストアップする

まずは、今持っている食器や調理器具、ミキサーやホットプレートなど、
キッチン用品すべてをノートに書き出してみましょう。
普段からストックしている食材(パスタや粉類、調味料など)
も忘れないようにしましょう。

使う頻度を書き出す

リストアップした食器などの使用頻度を考えると、収納先を決めるときに便利です。
また、新築やリフォームは絶好の整理整頓の機会でしょう。
何年も使用しないで、奥にしまっている食器は、この機会に必要かどうか検討しましょう。

採寸します

普段どのように収納しているかをイメージして、縦・横・高さの寸法を測ります。
平皿などは、重ねて収納するものは重ねた大きさで、また、蓋つきのカップなど、
重ねて収納できないものは1つの大きさで、寸法を測ります。
また、採寸するときは、もっとも大きな寸法を記録して下さい。

グループ分けをする

湯のみと急須、サイズの違う平皿など、用途が近いもの、そして、使う頻度が高いものを
まとめてグループにしておくとあとで便利です。
収納の効率は低下しますが、普段の取り出しやすさなどは飛躍的に上がります。
まずは、棚に前後2列になるような計画はしないで、
ゆとりをもった収納の大きさを把握することが必要です。

新築祝いなどでは、食器や鍋を贈る方も多いようです。
今あるものだけで、一杯になると、あとで、増えたものが収納できなくなります。
収納スペースは、ある程度の余裕が必要です。

実際にどんな収納にするか考える

大グループとして、使う頻度で考えていきます。
使う頻度が高い食器や調理器は、床から50~150cmのところにある
棚や引き出しに入れると使い勝手が良くなります。

「使用頻度が低いものが多い家庭」
「食品のストックを多くしている家庭」
は、パントリーなどの専用収納庫を設けるといいかもしれません。

また、大家族の場合、皿が多くなるため、システムキッチンの収納以外に
食器棚が必要になるでしょう。

システムキッチンの収納は大きさが限られているため、収納の場所にも制限があります。
アイランドキッチンなどは、システムキッチンが大きいため収納が大きくなります。
その分場所も必要になるのですが、食器棚や食品庫を作ることを考えると
アイランドキッチンの方が要望にあったキッチンにすることができるかもしれません。

そういったことを収納する食器や調理器などを見ながら決めて行きましょう。
ここまでできれば、収納がどの程度必要なのか具体的に知ることができます。